2012年3月16日金曜日

喉元過ぎれば…の見本のような日本のテレビ報道

とりあえずこちらに書きはじめるとする。

最近腹の立つことばかり立て続けに起きている。

そのひとつひとつを。

まず、3月11日 東日本大震災から丸一年ということで、テレビ各局でオンエアされた特別番組がどれもこれもひどいものだったこと。

見ないで済むのならばそれにこしたことはないとタカを括っていた。しかし世の中そう上手くはゆかないもので。

特に(やっぱり)フジテレビのがひどかったな。名前は出したくないが、福島を縦断した女性キャスターの勘違いぶりにはあきれてものが言えなかった。キャスターは事実を事実として視聴者に伝えるのが使命のはずだが。

次、3月14日、つまり一昨日の水曜日、三陸沖と千葉沖を震源とするふたつの大きな地震があまりあいだをおかずに発生した。(18時9分と21時5分)

三陸沖が震源の地震のその最中、自分は東京の知り合いと電話の最中だった。つまり、6時少し過ぎということになるが。向こうからは「一旦切るね」と言われた。そののち向こうから電話がかかってきたのだけれど(今度は7時過ぎということになる)

彼女もあきれ返っていたのが、これまたフジテレビだった。

地震直後から津波注意報が発令されていたにも関わらず、フジテレビでは特別報道体制を敷かずに、そのまま「電動アシスト自転車特集」であるとか「若手女お笑い芸人による節約術」を延々と流していたというからだ。

聞けば全民放(テレ東は除く)がすでに特別報道体制に移行しているのにである。

フジテレビが同じニュース枠で、この三陸沖で起きた地震と津波注意報について触れたのは地震発生後40分近く過ぎた6時50分ごろ。

その女性キャスターは、そのニュース番組の中で「つい先ほど」を繰り返していたという。(それは自分も確認した)

いや何がすごいといって、30分も前に起きた大きな地震と直後に発令された津波注意報や警報から30分を過ぎてから「ついさっき」と言い切るその欺瞞に対しては驚くを通り越してあきれ返る。

これ、思い返してほしい。大切なことだ。
東日本大震災では、地震から30分後に津波が到達していた地区があったということだ。

つまり地震後、津波警報・注意報が出て30分も放置しているというのは「報道」として重要な何かが抜け落ちているということ。

極端に言えば「津波の危機に晒されている人たち」を見殺しにするのと同じ行為なのだが。彼らはそういうことは少しも考えなかったのだろうか。

電話の相手の彼女は、この女性キャスターのことを非常に腹ただしく感じたという。「少なくともこういうニュースの顔じゃないよ」と言っていた。

彼女たちとこのフジの番組を一緒に見ていたひとから「このババアしねや!」みたいな怒声が出たことに彼女もある種の恐怖を感じたという。もう少し言うと、つまりは少しばかりの同意を感じた自分が怖かったそうだ。

自分としては、ただこのような報道を抱える局のエリア視聴者でないことに少しばかりの「安堵ー」を感じるだけであるが。

そして、話はそのわずか三日前に放送された、その「震災特別番組」に戻る。あの番組の空虚さというものが何に起因しているのかその最大の理由をしみじみと実感したわけだ。

あんなお泪頂戴プログラムを流すより先にやることがあるだろう。テレビ局ならば。
それは一にも二にも、緊急時には速やかに放送内容を変更できるなどフレキシブルな対応システムの構築だろう。それが出来ていないということが露呈したのだともいえるだろうが。

こういうのはネットのキー局としては致命的な欠陥以外の何物でもない。

悪いことはいわねぇ仙台放送よ、いざとなったら勝手に全国ネット放送から切り替えて独自判断で緊急報道体制に変えることができる権限だけは確立してはくれないだろうか。同じフジ系列というだけで不安でしかたがないからだ。
2012.03.16

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